さくっと読めるエッチ漫画を探していたところ、この作品を見つけました。
2巻で完結する手軽さと、他の作品と比べてみても作品紹介が少なく、どんな作品なのかわからないところもまた魅力的!
ちょっとした運試し気分でダウンロードしました。
舞台は1980年代の日本。香月財閥の若き総師、香月宗一郎(かづきそういちろう)に見初められた一般女性、畠山百合子(はたけやまゆりこ)。
世間は彼女を「現代のシンデレラ」ともてはやすけれど、百合子にはある秘密が…。
それは宗一郎の弟、秀二(しゅうじ)に抱かれてしまったこと。
木漏れ日の中でまどろむような穏やかさを与えてくれる宗一郎と、危険な香りのする秀二。百合子は初めて出会ったその日から秀二のことを意識し、カラダのざわめきを感じていたのです。
他のエッチ漫画とは違い、長編小説の一説を切り抜いたような独特な世界観のあるこの作品。ノスタルジックな雰囲気に、つい吸い込まれそうになります。
読み始めてすぐはなぜ秀二とこんな関係になったのか?と疑問ばかりが膨れ上がりますが、エッチ中の台詞や回想シーンの中にここに至るまでのヒントが散りばめられており、作品の伏線回収を楽しめる作品です。
そのため、エッチな気分になりたい!という方には不向き。
私も最初はひとりエッチのお供に!と思っていたのですが、他の作品とは異なる空気感に、思わず姿勢を正し、その後、一から読み返したほど。
この作品の雰囲気を簡単に表すと、「女流作家の描くミステリー」という感じでしょうか。
最後の終わり方も、ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか…。
読み手の感じ方によって大きく変わってきそうです。
普段から小説を読まれる方、作品の世界観を大切にされる方であれば、全体を通して楽しめる作品だと思います。
私自身は、本来の目的とは違うものの、ラストも含め存分に楽しむことができました。
誰にでもオススメできる作品ではありませんが、「小説好き」の方は一度読んでみるといいかもしれません。