こんばんは!昭和の末裔、松タケ子です!
最近職場の後輩がと私の青春時代に流行った曲を懐メロと言っているのを聞き戸惑いが隠せません。
さて、オススメしたいのは「明治緋色綺譚(めいじひいろきたん)」という漫画です。
明治の激動の時代を舞台に、小さな少女の成長と恋を丁寧に描いた名作です。
主人公の「すずこ」は、借金のカタに姉とともに遊郭に売られ
禿(かむろ)として働く没落華族の娘です。年の離れた姉は、遊女として客を取らされたことで心を病み自害。
そんな中でも気丈に生きるすずこは「津軽(つがる)」という呉服屋の青年に身請けされ、津軽の助手として働き始めます。
この津軽、幼女を生娘のまま身請けするどんな変態かと思いきや、思いのほか好青年。
すずこは津軽の庇護のもと学問を身につけ、少女らしい日常をとりもどしていきます。
しかし2人の平和な日常は、すずこの華族時代のとりまきの出現により、少しずつほころびを見せ始めます。
すずこに兄妹以上の感情を寄せる兄「春時(はるとき)」。
そしてその春時に蛇のように絡みつき、すずこに執拗なまでに興味をしめす「遠峰」。
物語はすずこを取り巻き、富豪たちの欲望がうずめくさまざまな事件へと発展していきます。
「そんなドロドロした泥水みたいな物語、悲しくて読めない!!」と思うなかれ。
この漫画のすごいところは、いろいろな闇をかかえる登場人物たちを丁寧に描写しながら
あくまでも軽やかに物語が進んで行くところなのです!
絶望の中にキラリと光るすずこの少女らしい気遣いや
悲しみを支える津軽の友人や家族との、愉快なやりとり。
現代的な絵のタッチによく考え抜かれたキャラクター構成。
時代ミステリーのような展開を見せながら、根底に流れるのは少女のラブストーリーというのも、グイグイと物語に引き込まれる一因です!
この漫画、心からおすすめいたします。読み始めたら次の巻、次の巻、と止まらなくなること請け合いです!
物語にエンジンがかかるまで少し時間がかかりますので、続けて読むことをおすすめいたします。
悪いようにはしませんから…。