「な、懐かしい…!」タイトルを見た時に思わず声が漏れました。
アラサーのわたしは、連載当時姉が買っていた漫画雑誌でこの漫画を読んでいたのですが
「電子書籍で読めるとは!」と嬉しくなり読み始めました。
主人公の麻生キラは大人しくて内向的な女の子。
中学生の時に継父から性的虐待を受けていたという辛い過去を、今は母と2人で暮らしています。
ある日、美術部の顧問からセクハラを受けそうになっていたところを、同級生の零に助けられます。
ちょっと不良っぽいけれど、端正な顔立ちと明るい性格で人気者な零。
しかし零もまた双子の弟聖を目の前で亡くすという辛い過去を抱え、
バイクレースという戦いの中に身を置いていました。
孤独を決め込むキラと、抑えられない感情と凶暴性を抱える零。
2人の出会いはやがて、お互いの孤独を埋め合う、なくてはならない存在になっていきます。
しかし、零の元カノや零を狂信的に崇拝する転校生が現れて…。
暴かれるお互いの辛い過去、降りかかる困難。
大人以上に孤独を知りながら、大人よりも弱くはかないふたり。
ふたりの出会いはお互いの運命を変え始め…。
この作品が出た時は本当に衝撃的で…。
父親からの強姦、教師からのセクハラとか、主人公の境遇が重く衝撃的です。
零くんの喧嘩シーンの激しさなど色々型破り。
でも、そんな凶暴性をも読者が愛しく感じちゃうくらい零のことは丁寧に描き込まれていて、そのバックグラウンドがわかるからただただ切ない。
きっと当時この漫画を読んで、不良男子にあこがれた女の子も多かったのでは?
わたしも脳内だけは悲劇のヒロインで、私にだけ優しいイケメンの不良を待ちわびてたなぁ…。
まだ読んでいない人はぜひ読んでほしい、読み応えのある少女漫画です!