胸がギューっと締まるような純愛ものを読みたくなり、この作品を選びました。
主人公の岸本杏は弓道部の部長。
中学時代から6年間弓道に打ち込んできたものの、結果を残せないまま、自主的に引退を迎えることになります。
次期部長は、後輩の三神曜太。
朝練に遅刻したり、練習は不真面目なものの弓道の腕は抜群。
インターハイでの優勝経験もあり、真面目な杏とは正反対です。
嫉妬のような、憧れのような、複雑な気持ちで三神を見つめる杏。
しかし、三神はもっと強く切ない目線で杏を見ていて…
ある日、部長職を引き継ぐために三神と会っていた杏。
その時なぜか三神の弦を持ってきてしまい、放課後三神に呼び出されます。道場に行くと、そこには凛として弓を射る三神の姿。
綺麗に矢を射て、一礼。普段のお調子者の様子とは違う姿に見とれてしまう杏。
もう引退すると決めたのに、弓道に心を奪われる杏。
「こんな簡単に終わって悔しくないんですか?」三神は杏の無理な練習を見抜いており、その不安を指摘します。
最後に三神にフォームを直され、軽い気持ちで矢を放つ杏。
まるで心の重荷が取れたように軽やかに的を射る矢に、自然と杏の心も軽やかになっていくのです。
一方、部長という役職への不安を吐露する三神。後ろ姿を三神に抱きしめられる杏。
「せめて稽古をつけてくれませんか?俺のそばで…」。弓を通じて2人の距離は急激に近づいて行くのですが…
わー!三神くん!思わず叫びたくなるほど三神くんがイケメンでズルい。
杏を呼び出すためにわざと杏の鞄の中に自分の弦をいれて会う口実を作ったり…中々の策士!
イケメンでインターハイ優勝というだけで好きでしかないのに、このずる賢さ!
杏、もう逃げ場なし!
この作品の見どころは、なんといっても三神くんの杏への純愛。
少し先に大人になってしまう先輩を繋ぎとめておくために、いろいろな策を巡らす三神くんにはキュンキュンしっぱなしです。
久しぶりに甘酸っぱい恋が読みたくなったあなたにおすすめの作品です。