『花ざかりの君たちへ』は2007年にテレビドラマ化されて話題を呼んだ後、2011年に二度目のテレビドラマ化を果たし、台湾や韓国でもテレビドラマ化された『花ざかりの君たちへ』。
日本はもちろん、アジア圏に住むたくさんの人々を熱狂させた漫画です。
しかし、なぜ、『花ざかりの君たちへ』はこれほどまでに人々の心を掴んだのでしょうか?
何せ、『花ざかりの君たちへ』が連載されはじめたのは1996年のこと。
2004年まで連載されたとはいえ、絵柄も今読むには少々古いと思ってしまう方も多いかもしれません。
ところが、「少し古い話かな?」と思われる表紙をめくってみると、とても新鮮で、とても眩しい、何度も読み返したくなる物語が始まるのです。
主人公はアメリカに住む日本人の女の子である芦屋瑞稀(あしや みずき)。
物語は彼女が長い髪を短く切るところから始まります。
なぜ彼女が髪を短く切ったのかといえば、日本の男子高校に入学するため、かねてより憧れていた元中学校跳びチャンプの佐野泉(さの いずみ)が跳ぶ姿を間近で見るためでした。
なんとか佐野が通う男子高校に潜り込めた瑞稀は、なんと運よく佐野と同じクラスに!
その上、寮でも相部屋ということでドキドキの日々が…。
さっそく瑞樹は佐野と打ち解けるべく、佐野の跳ぶ姿に憧れてアメリカから日本にやってきた旨を伝えると、佐野から衝撃の一言が返ってきます。
「やめたから 高跳び」
これには瑞稀もガッカリ。
しかし、佐野が跳ぶ姿を見たかっただけだったはずの瑞稀の心は、佐野と過ごすうちに変わっていき、ひょんなことから瑞樹が女の子だと気づいた佐野の心にも、どうやら変化が…
男子校の愉快な仲間たちに振り回され、泣いたり笑ったり、ときには怒ったり、そして、自分が女の子であること、ますます女性らしく成長していくことに戸惑ったり…
そんな瑞稀の姿に共感せずにはいられません。
今まさにティーンエイジを駆け抜けている最中の人はもちろん、ティーンエイジが懐かしく思われる人も、男子校という「禁断の園」で繰り広げられる、その設定とは裏腹な「純愛物語」に思わずときめいてしまうことでしょう。
『花ざかりの君たちへ』を読んだことがないという人はもちろんのこと、昔読んだという人も、ぜひもう1度『花ざかりの君たちへ』の表紙をめくってみてください。
きっと、内容は覚えているはずなのに、懐かしいというよりも、新鮮なときめきを覚えてしまうかもしれません。